“ 虹のメッセンジャー ”


 虹を見ると、なんだか感動します。

 虹を見ると、心が安らぎ、思わず笑みがこぼれます。

 雨があがって、希望に満ちた空。
 虹は、その象徴です。

 それはまるでアイリスの心の風景のようです。

 シェイクスピアが著作『あらし』の中に登場させている
 “アイリス”は、妖精であり「虹の女神」でもあります。
 もともとギリシャの神話の中で“イリス”は虹の女神。
 ゼウスの奥さんから、虹色の首飾りをもらい、
 お神酒を三度振りかけられ、空を飛べる翼をもらって、
 女神になった人。
 もともとは人間だったのです。だから、彼女は、
 「神の世界」と「地上」とを結ぶメッセンジャー。

 お神酒のこぼれた場所にアイリスの花が咲いたそうです。
 アイリスの花言葉の1つに
 “恋のメッセージ”というのがあります。
 ……アイリスはメッセンジャー。
 あらゆる世界と世界の間に「虹の橋」をかけ、
 人の心と心をつなぐ。

 私の中でイリス・シャトーブリアン嬢は
 虹の女神の化身でもあります。
 虹は心と心の架け橋。アイリスがつなぐのです。

 「楽しい時は笑おうよ。
  みんな、アイリスと一緒に踊ろうよ。」

 アイリスが過去、
 悲しい理由で雨を好きだったことはご存知でしょうか。
 今でも彼女は雨が好きですが、
 帝劇の仲間のおかげで、別の理由になっています。
 悲しい過去を封じ込めるのではなく、
 受け入れ、希望に変えてアイリスは生きています。
 もう雨は悲しみを映すものではなく嬉しさを映すもの。
 たとえ雨が止まなくても心に虹を映す。

 悲しみの闇を知っているからこそ彼女は輝き、
 相手の悲しみをも共に感じ、
 自らの輝きを周りの人と共有する。

 そうやってアイリスの虹は、絆をつくり、
 全てを柔らかく包むのでしょう。


             2005 7 加筆 じょや
    

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