“ ア イ リ ス と レ ニ ”


 輝く金髪に大きなリボン、紫がかった碧眼。
    フランス人形のような愛くるしい少女、アイリス。
 一見、美少年風、銀色の髪、青い瞳を持ち、
        神秘的な雰囲気をもつ美しい少女、レニ。

 この2人の組み合わせ、
 想像するだけでもすごく綺麗で、幻想的です。
 実際に並んでいるところを目の前で見たら、
 あまりの美しさ・可愛らしさに声も出なくなりそうです。
 まさに童話、メルヘンの世界……。
 あるいは、やわらかく優しい“神話”の世界。
 そんな世界に存在しそうな2人。

 天真爛漫で心優しいアイリス。
 冷静沈着な中にも乙女の魅力を持つレニ。

 はしゃいでレニを引っ張り回すアイリス。
 戸惑い恥じらいながらもついていくレニ。

 いつもレニを気遣う友だち思いなアイリス。
 いつもアイリスをあたたかく見守るレニ。

 この出会いは、お互いの心にとって
 かけがえのないものだと私は思います。

 感情を押し殺して成長してきたレニに、
 アイリスの天真爛漫な接触がありました。
 それはレニにとって大変な驚きであり、
 今まで触れたことのなかった新鮮さがあったでしょう。
 レニはアイリスから、
 心に大切な“あたたかさ”をもらったのだと思います。

 アイリスはフランスで“ひとりぼっち”の幼少時代を送り、
 心を閉ざして成長してきました。だから、
 レニのどこかに“同じキズ”を見いだしたのかも知れません。

 かたや、感情を出すことを許されず
 冷徹な戦闘機械として育てられたレニ。
 かたや、その強大な霊力のため周囲からの
 迫害を恐れた両親によって“城”に閉じこめられ、
 ぬいぐるみたちとしか話ができなかったアイリス。

 2人とも、帝劇で“愛情”を知り、
 大切な“新しい家族”を得ました。

 アイリスは、フランスの両親の深い愛情も
 今ではよく分かっていると思います。
 孤独を経験したからこそ、“おともだち”、
 “家族”の大切さを強く感じているのだろう
 と思います。だから何をするにも本気です。
 みんなと「話す」ことができるだけでも嬉し
 いから、一言一言、全身全霊をかたむけて
 話してるような気がします。

 そんなアイリスの純粋さが、
 頑なだったレニの心を少しずつ溶かしていった。
 “隊長”の力も大きかったと思いますが、
 アイリスがいなければ、もっと時間が
 かかったのではないでしょうか。
 (いや、アイリスがいなければレニの心は
  溶けぬままだったのではないかとまで思います。)

 このような経緯があるから、
 アイリスとレニの2人は特に強く引き合うのでしょう。

 2人の間に輝きがあり、希望が生まれます。

 心と心をあたたかくつなぐ、虹。
 闇を照らし、心を映す、月。

 2人の笑顔が、
 世界に幸せをもたらすでしょう。


                2005 7 書き直す じょや
    

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