“ ア イ リ ス の 家 族 ”


 アイリスは何をするにも「一生懸命」で「本気」です。
 それは、みんなと話せて嬉しいから。
 みんなと一緒に遊べるから。
 みんなと一緒に戦えるから。
 みんなと一緒に舞台に立てるから。

 ずっと“おともだち”が欲しかったアイリス。
 そのアイリスが帝都で出会った“仲間”、花組。

 フランスで、アイリスは両親の深い愛情によって守られていました。
 でもそれが彼女に“お友達”をつくれない状況をもたらしました。

 それでもアイリスは心のどこかで両親の愛情を感じていた筈です。
 両親の判断がなければ彼女は迫害されてしまったかも知れません。
 実はアイリスは、両親のそんな愛情を感じていたからこそ、
 不平不満を表に出さず、言われるままに部屋に閉じこもり、
 必死に孤独感に耐えていたのかも知れない、と思うのです。

 帝都に来ることにより、高い霊力も、持ち前の明るさも、
 思い切り出せるようになった。
 同じチカラを持つ“仲間”がたくさんできた。
 お話を聞いてくれる“お友達”がたくさん。
 すごく、嬉しかったでしょう。

 “帝国歌劇団”そして“帝国華撃団”として
 みんなと一緒に歌い、踊り、笑い、戦い……
 その中でアイリスの意識は、
 だんだん変化していったと思います。

 みんなに守られ、みんなを守る喜び。
 帝都に来てそれに気づいたからこそ、
 自分が両親に守られていたことにも気づき、
 その時、本当に“家族”を感じたのかも知れません。

 そしてアイリスにとって“帝劇”は、
 かけがえのない“第ニの家族”となったのでしょう。

 サクラ大戦のTV版を見ていると、
 そういった“人とのつながり”がアイリスの中で
 だんだん強く意識化されていくのが分かります。
 TV版後半のアイリスは、
 “おともだち”“仲間”“家族”であるみんなを守るために、
 いたいたしいほど健気に、一生懸命がんばります。

 アイリスの誕生日を、本気で…心から祝ってくれた花組。
 彼女の大粒の涙には、みんなの優しさ、愛情が映っていました。
 あの時、アイリスの中に封じ込められていた
 「人とのつながりを求める気持ち」「純粋な感情」
 「強い思いやり」「愛」「明るさ」……
 そういったものが一気にあふれたのではないかと思います。

 ゲーム本編でもアイリスが帝劇という“家族の絆”を
 大切にしていることが分かると思います。
 ここで説明しておきますが、私は、ゲームのアイリスも
 TV版のアイリスも両方好きです。
 「性格が全く逆じゃないか」
 という印象を抱かれる方が多いかと思いますが…
 私は、「2人の」アイリスをつなげて考えるのが常です。
 健気さとか、純粋さとか、深いところで同じなのです。
 なにより、どちらのアイリスもすごく可愛いです。

 孤独という闇を知っているからこそ、
 みんなとの絆を必死に守ろうとする。
 絆というものの大切さを、深く、強く、
 知っているからだと思います。

 絆の大切さをアイリスに教えてくれたのは、
 花組であり帝劇です。
 それを最大のレベルで理解したのは、
 アイリスだからこそ……。

 アイリスは、“家族”と、“絆”と、そして
 大きな“感謝”とともに、帝劇にいます。


    

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