[ 第 2 回 ]    “  あ ま の じ ゃ く  ”


 参!  弐ぃ!  壱!
どか〜〜〜ん!!

 こっとのは、かぁげきだ〜〜〜〜ん!!
                             ちゃっちゃかちゃっちゃっちゃ〜ん♪

 どうも皆さん、こんちデ〜ス!
      言葉の謎を解き明かす、“ことのは華劇壇”2回目デ〜ス!
      ちなみに「こんち」ってのは「こんちくしょ〜」の略じゃないデスからネ!
 もぉ、そんなのみんな分かってるよっ。
      ねね、今日は、おたよりが届いてるんだよ! はやく読もうよ、はやくはやくぅ!
 そうですネ〜。でもアイリス、自己紹介が先デス。

 は〜い! この番組は、帝国歌劇団、アイリスと、
 ソ〜ルルエッッタ・織姫がおおくりしマス!

 えっと、さっそく奈々おねえちゃんがおたよりを・・・
      じゃなくって、えと、えと・・・、
 アイリス、そう興奮しないで、もすこし落ち着くがいいデ〜ス。
 えへへ、ごめんなさぁい・・・アイリス、嬉しくって!
      えっと、あのね、はじめてのおたよりです!
      帝都にお住まいの、奈々さんからいただきました!
 奈々さん、ありがとうございマ〜ス! アイリス読んでください。

 は〜い! えと・・・

      こんにちは〜、織姫さん、アイリスちゃんv
      前回の『ことのは華劇壇≪ヤッホー≫』とっても楽しく聞かせて頂きました!
      私も今度、山に登ったら思いっきり「ヤッホー!」言ってみたいと思いますv
      リスナーからのお便りを募集しているとの事なので
      僭越ながらお便りさせて頂きますvv

      私は良く人から『あまのじゃく』な性格だと言われるんですが
      「あまのじゃく」っていったいなんなのでしょう?
      宜しければ教えてください、お願いしますっ!(≧△≦)

      ではでは、これからも番組楽しみにしていますv
      お身体に気を付けてお仕事頑張ってくださいねっ(*^▽^*)/~

      ・・・帝都在住・奈々さん!

 ふむふむ。“あまのじゃく”についてデスネ!
      アイリス、知ってマスか〜?
 うん! 知ってるよ。人と反対のこと、するんだよね。
 そうデスね。正解デス! わざと人のすること言うことに逆らったり
      逆のことをしたがるような人のことデ〜ス。
 おちゃめさんだね! 織姫も結構そうだよねっ。
 んんっ? そうデスかぁ? ワタシ、いたって「まっしぐら」な人間デスヨ?
      ま、いいデ〜ス・・・
      ところで“あまのじゃく”って、もともと何者か知ってマスか?
 アイリス、わかんない・・・ あ! 織姫、
      “べにくじゃく”とか〜、イソギンチャクの仲間だとか言わないでね!
 う! よ、よまれたデ〜ス!?  な、なんで先回りするデスか?
 織姫、いっつもそういうことばっかり言うんだもん!
      今日は、ちゃんと教えてね。
 わっっかりマシタ。じゃあ言いマスヨ!
(高速で)
      あまのじゃくは、しばしば小オニのような姿で描かれる妖怪なのデス。
      そこらじゅうにいるようデスが、家の炉の灰の中に棲んでいるとも言われてマス。
      イタズラ大好きで人が困ってるのを見るのが楽しみという困った輩デス。
      ですから“あまのじゃく”な人と呼ばれることは大抵、不名誉なことデス。
 ふぅん・・・じゃあ、悪口なのかなぁ?
 でもアイリスの言うように、おちゃめな意味を含んで親しみ込めて言うことも
      なきにしもあらずデスネ。もともとは妖怪じゃなくて神様だったとも言われて
      いマス。どこかで祀られていることもありマス。子どもが悪さしてるのをやめ
      させた大人に「遊びを邪魔した」ってことで逆に大人にバチあてるような神様
      デス。精霊とも妖怪巨人とも言われ、人の心を読むチカラがあるといいマス。
      人の心を読んで、その逆のことをするんデスネ。
 ・・・心を読むんだぁ。
 ま、いろんな伝説がある中の1つデスけどネ。
      もともと神話に出てくる女神「天探女(あまのさぐめ)」から来たとも
      言われマス。人の心や未来を読むことで活躍してたんデスが、
      それが原因でアマテラスさんの怒りを買っちゃうんデス。
      それで、ひねた意地悪女神ということにされたのデス。
      動物の声なんかを聞くことができるシャーマンとか、または
      「やまびこ」の神格化とも言われマス。やまびこは同じことをそのまま返しマス。
      真実をそのまま伝える者は「ひねくれ者」にされるのかも知れませんネ。
 そうなの? ほんとのこと、言っちゃだめなの?
 いえ、ま、世の中渡っていくにはウソも必要ってことデスかネ。
      そう言うとなんかイヤですが、ウソがホントでホントがウソってこともありマス。
      いいウソもあるし、悪いホントもあるんじゃないデスか〜?
      「うまく生きてく」ってことだけじゃなくて、
      「優しいウソ」は、時には人を助けることもあるってことデス。
 う〜〜ん。むずかしいんだね。
 いえ、こんなの、分かる人には簡単なのデス。
      アイリスだって、きっと心の奥の方でとっくに知ってマス。
      理屈なんて説明できなくても、分かってることって、あるでしょ〜?
      ・・・そして、そういうのを分かった上で “ あまのじゃく ” な
      行動をしてる人なら、そう呼ばれても不名誉なことはナイですネ。
 “あまのじゃく”って、ほんとは、しっかりしてる人のことなのかな?
 OH〜 それは面白い考え方デスネ。うんうん。
      “あまのじゃく”なことをするのは、しっかりした自分を持ってるって
      ことなのかも知れませんネ。
 ねね、“あまのじゃく”の 「 く 」 ってオニって書くんだよね。
      どうして 「 く 」 って読むの?
 それはよく分かりまセ〜ン。あ、でも、昔はアマノジャコとか言ってたみたいデス。
 人の名前みたいだね。
 そうデスネ〜。これは確か・・・
 ちりめんじゃこの仲間?
 うっ。また言われたデ〜ス。(--; 今日のアイリスはオニですネ〜。
 アイリス、オニじゃないよ〜!
 鬼と言えば、天邪鬼は、毘沙門天のお腹にある鬼の顔とか、
      または踏んづけられてる小鬼のことも言うみたいデスネ。
 そうなんだぁ。どうして踏んづけられてるの?
 お釈迦様の教えを守らないからだとか聞きマシタ。いろんな仏像に踏まれてますネ。
 鬼さんって・・・いっつも悪者だね。
 そうデスね〜。そうじゃないお話もありますケド、
      たいてい、鬼は悪者で〜すネ。『瓜子姫』に出てくる
      “あまのじゃく”も、すっごい悪者デ〜ス。
 あ、『うりこひめ』知ってるよ! 鬼にだまされて捕まって入れ替わられちゃって、
      でも最後には助かるんだよね。鬼は、だましたことがばれてやっつけられちゃう。
      そっかぁ、あの鬼さんが“あまのじゃく”だったんだぁ。
 そうデスネ〜・・・ま、そんな話デスネ・・・でも『瓜子姫』のお話は1つじゃなくて、
      もっといろんな話があるんデスよ?
 へぇ、どんなの?
 それは・・・う〜〜ん・・・ちょっと、あんまりアイリスには話したくないデス。
 え〜っ、どうして?
 ふふん。自分が知ってる話、もったいなくて人には教えたくないデスからネ。
 え〜っ。もぉ、織姫のいぢわる! あまのじゃく!
 ど〜せワタシはアマノジャクですよ〜だ。


 ・・・・・・
 ・・・ありがと、織姫。
 へっ!?
 きっとそれ、怖いお話なんだよね。だから、アイリスに聞かせないために、
      わざと「教えな〜い」って言ってるんでしょ。
      もし、「怖い話デスヨ〜いいんですか〜?」なんてアイリスに言ったら、
      アイリス、「大丈夫だもん大人だもん!」って言って聞きたがるから・・・
      それで、そうならないようにしてるんだよね・・・?
      だから、ありがと! でもね、怖い話でも平気だよ。オトナだもん♪
 ア、アイリス、ほんとに今日はオニのように読みますネ〜・・・(^^;
 織姫は、今日はオニ姫じゃなくって、優しいね!
      ・・・優しい“あまのじゃく”だね!
 あはっ・・・そうデスね〜・・・
 って、ちょっと待ってくだサ〜イ?
      それって・・・いつもは“オニ姫”ってことですか〜??
 あ、そろそろお別れの時間だね〜! うりこ姫のお話は今度聞かせてね!
      みんな、ばいば〜い! (≧∇≦)/(すたこら)
 あ〜っ、逃げやがりマシタ!! 待て〜!!
 待たな〜い! あまのじゃく、だも〜ん! (≧∇≦)



★ 次回予告?(帝劇にて)★

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