ことのは華劇壇<舞台裏>2 帝劇にて
んっ。おーい、椿。どうしたんだ?
あっ、カンナさん。アイリスちゃんか、
織姫さんを見かけませんでしたか?
見てねぇなぁ。何か用事なのか?
お二人に謝らなくちゃいけないんです。
?
実は、なぜか売店の商品の中に、お二人
あての手紙が紛れこんじゃってて・・・
早く渡してあげなくちゃって思いまして・・・
なるほど。で、いつ来た手紙なんだ?
4,5日前です。
なんだ、そんなに経ってねぇじゃねえか。
大丈夫大丈夫。そのぐらいなら、
へそが茶を沸かすぐらいだぜ。
はぁ・・・。カンナさん、なんだか
ちょっと使い方が間違っているような・・・。
まぁ細かいことは気にすんなって。
で、なんて書いてあるんだ?
わ、わかりませんよ。
あたし、人様の手紙をのぞき見たりしませんから・・・
いいじゃねぇか。減るもんじゃないんだし。
それに、あたいらは家族みたいなもんなんだ。
家族の手紙を見て何が悪い。
そう言われてみると・・・
だろ? どれどれ見せてみな。
やめておきなさい、カンナ。
そうですわよ。まったく、これだから
無神経なゴリラ女と、天下に名を馳せる
ことになるのですわ。
マリア・・・そうか。
あたいが悪かったよ。そうだよな・・・
さすがはマリアだ〜。おお、マリィア・・・。
・・・ま、もう一人はどうでもいいけどな。
んま、なんですって?
聞き捨てなりませんわよ!
なんかわめいてるのがいるよう
だけど気のせいかな。おおマリア〜、
あたいはどうすればいい? そうか、
この手紙をアイリスと織姫に届けるんだな。
その役目、うまと引き受けた!
「しかと」引き受けた、じゃないかしら・・・
そうですわよ、まったく、
おばかさんなんですから!
なんかブンブンうるせぃな〜。
あたいはマリアとしゃべってるんだよ。マリア〜。
きぃっ! わたくしを怒らせると
痛い目を見ますわよ!
お、なんだ、やるってぇのか、
ブンブン虫! いい〜よ、やったろうじゃねぇか!
あ! カンナさん、手紙持ったまま
ケンカしないでください〜!
やめなさい、二人とも・・・!
・・・あ! アイリス!
アイリス、けんかする人・・・
あ。
待て、アイリス、話し合おう。
きら〜〜〜〜い!!
<< バリバリバリィッ!! >>
ぎええええ〜〜〜っ!
ぎょえええ〜〜〜っ!
<< バタッ >>
二人とも直撃ね・・・。
あっ、手紙! 手紙は大丈夫でしょうか??
え、手紙?
アイリスと織姫宛の手紙なのよ。
カンナが持ったままだったわね・・・。
え、えっ? て、手紙、焦げちゃった?
あ、大丈夫みたいです!
よかった〜〜(ほっ)。
・・・! 不思議ね。
焦げ跡ひとつないわ。ただの、紙よね・・・?
アイリスちゃんが無意識に
チカラをおさえたんじゃないですか?
そうかしら・・・?
「アイリスさんと織姫さんの
“ことのは華劇壇”宛」だって!
わぁい、また、おたよりだぁ。
あ、でも、ごめんなさい。
4日ほど前に届いたものなんです・・・
そうなんだぁ。でも平気だよ!
・・・あれっ。でもヘンだね?
“ことのは華劇壇”は、4日前に初めて放送されたんだよ。
へ? そ、そういえば・・・
・・・、ますます不思議ね・・・。
お、いたいた。
アイリス、また、おたより届いとるで〜。
・・・わ! このお二人はん、どないしはったんや?
・・・黒こげだね。
あら、紅蘭、レニ。
実は、「かくかくしかじか」で・・・。
なるほど〜。
・・・言葉って便利だね。
お手紙見せて〜。
・・・あ、同じ人からだ!
たかつきさん!
これまた不思議なタイミングやな。
摩訶不思議ね・・・
【次回の“ことのは華劇壇”放送をお楽しみに。】
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